温かい言の葉
ふと目が覚めた。 布団の中がひどく暖かいのは、隣で寝ている人の体温が高いからだろう。 ぼんやりと、ただぼんやりと前を見ていた。
「手塚・・・」 隣の人がむくりと上半身を起こして後ろから私の顔を覗き込む。 軽いキス。
「寒くて寒くて死んでしまいそう。手塚、ほんとに私を抱いた?抱いてるの?」 手塚は眉をよせて黙ってしまった。 まだ中学生だというのに、眉間に皺のある手塚。 美しくてなんでもできる手塚。
「 」 手塚は私の頬に手を添えると、厳しい顔で私を見つめた。 「お前の孤独はお前のものだ。お前以外にそれを埋めることが出来る奴は、いない」 私はぼんやりとした頭で、しっかりとした視線を手塚にやる。 「それは、手塚でも埋められないの・・・・?」 頬にある手塚の手は温かい。 手塚が悲しげに目を伏せて、でもすぐに目を開いた。
「だが、お前の支えにはなれる」 手塚の手に力が込もる。 「お前が寒くなったら、すぐ俺のところへ来い」 「・・・でも、埋められないんでしょ?」 「埋めることは出来なくても、一時その穴を塞ぐことは出来る」 手塚はそっと唇を重ねてきた。
「ありがとう」
大好きだよ、という言葉は、それだけで私を温かくした。
back 03/9/1 |