畢竟_つまるところ

 

 

つまるところ、おれは一体こいつの何なんだ。

いきなり浮かんだこの考えを、跡部は鼻で笑い飛ばすことにした。
馬鹿馬鹿しいことこの上ない。
おれはおれだ。

そしてソファに座ってテニス雑誌を熱心に読む少年の観察を再開した。

足を曲げて体育座りの格好でソファに深く座り込んでいる。
いつもなら跡部が一人で座れば埋まってしまうソファも、今日はなんだか広く見える。
手に持つ雑誌は、発売前に手に入ったので見に来ないか、と誘ったエサである。

食いつきは抜群のようだ。
それの証拠に、さっきからこちらをまったく見ようとしない。


おれがここにいること忘れてんじゃねぇだろうな。


跡部は向かいのソファに座りながらもんもんとリョーマを見つめていた。
手に持っていた紅茶のカップを、さりげなく音を立ててソーサーに戻してみる。

と、その音に気が付いたのか、リョーマはふっと顔を上げた。

跡部は合った目線に少しどきりとしながらもリョーマの反応を待つ。
その時、自分の口の端が自然と持ち上がっていたことには気が付かなかった。


「何にやにや笑ってんの気持ち悪い」


「てめぇな・・・」

跡部はがくっと崩れ落ちた。

 

 

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