いつのクリスマスにも
サンタクロースの衣装を着たルフィが突然部屋のドアを開けて叫んだ。
「メリークリスマス!良い子のみんなにプレゼントをやるぞ!!」
「アンタ、街にウソップと出かけてこそこそしてると思ったら、そんなもん買ってたのね?」
「そうだー!クリスマスだからな!」
絶対にクリスマスの意味をわかっていないルフィサンタを前に、ナミはペンを置いて深くため息を吐いた。
「で、何しに来たの?」
ナミは強いてゆっくりと尋ねた。
「プレゼントを配りに来たに決まってんだろ!」
そう言って嬉しそうに笑うと、背負っていた袋を下ろし(ひどく重そうな音がした)、ごそごそと中を漁りだした。
「ストップ!そのプレゼントならいらないわ」
ナミはしゃがみこむルフィの手を素早く抑えた。
「なんで?」
不思議そうにナミの目を覗き込むルフィを見て、ナミはまたため息を吐いた。
「あのね、私にしろアンタにしろ、海賊のどこがイイコなのよ?」
ルフィははっと気付いたように目を見開くと、そのままがくっと首を落とした。
ナミは少しだけ眉を下げたが、すぐににやりと口元を緩ませた。
「だから、イイコ用のそのプレゼントは、いらないわ」
含みのある言い方に、ルフィが伺うように首を持ち上げた。
ぱっと見まるで良い子のルフィだが、ルフィがどれくらいすごいワルだかは身を持って知っている。
ナミは焦点が合わなくなるまでルフィに顔を近づけた。
「悪い子でとびきり可愛いナミちゃんのプレゼントは、アンタがいいわルフィ」
04/12/25
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