授業風景
「こんな問題もわかんねぇのかよ、ったくこれだからバカは困るぜ」
「んだよ言いたいことがあるんならはっきり言えよ」 にやにや笑うなこのエロ大魔王が。いじめっこ。あほ。ばーか。地球が自分中心に回ってるとでも思ってんのかこら? 「こえーからぶつぶつ呟くな !」 私の隣に座っている向日が椅子をずざっと遠ざけながら叫んだ。 「だってむかつくんだもん。つか私がわかんなかった問題をよりによって跡部に答えさせた先生がむかつきます」 「だからって普通に声に出すな!」 向日はあわあわしながら先生と私を交互に見た。
見てて飽きないし、なんか小動物系の動きをするよねこの人。
そして跡部は私に向かって口をぱくつかせると、ようやっと正常に黒板の方を向いた。
跡部に聞こえるか聞こえないかぎりぎりの声で呟いたんだが、しっかりと耳に届いたらしい。 「言いたいことがあるならはっきり言えば?」 私はさっき言われた台詞をそっくりそのままお返しした。 「・・・あぁ?言っていいのか ?」 跡部は一瞬何か言い返そうとして止めると、にやりと意地の悪そうな微笑を浮かべて私を見た。
私は授業中だということを忘れてその誘いに乗りかけた。
このクラスで、というかこの学校で跡部に向かって注意ができる生徒はごく限られている。
次に向日。 芥川は問題外。
基本的に無口で無表情。何を考えているかわからないところが多いが、この5人組の中では最も良識派なようだ。 ただ髪型がちょっと・・・。 この長い髪がいただけない。 「何じろじろ見てんだ 、とっとと前向け。だから問題が解けねぇんだよ。激ダサ」
私はにっこりと笑顔で応えた。 「おう・・・?」 心当たりのない礼にも律儀に応える青少年宍戸、その隙を奴は逃さなかった。
でも、クラスの大半の耳がこちらを向いている状態でそれは、ちょっと可哀想。 「え?100点満点で3点?それはやばいって人の心配してる場合じゃないよ宍戸!私のことはいいから、自分のことに集中して、ね?」 とか思いつつ、跡部に加担してしまう自分もどうなのかと思うが、つい癖で乗ってしまった。
クラス中に響き渡る大声で。
忍足の隣の列で、すやすやと眠っていた芥川が目を覚ました。 「宍戸、もう今日はゆっくり休みや・・・」 ちょっぴり白くなった宍戸の肩を、隣の席の忍足はそっと叩いた。 でも顔がひきつっちゃってますよ、笑いで。
可哀想なノート達。 こうして私は、またもや授業をまともに受けることが出来ずに6時間目の終了のチャイムを聞いたのだった。
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