昨日の敵は、今日の友
・・・はい? 今、思いっきり爽やかな笑顔で跡部って言った? 固まった私に気づかずにジローが立ち上がった瞬間、事態は予想通りの方向へ。
来た。天敵が来た。 「あ、跡部。それにみんなもちょっと聞いて〜」 私を囲むようにして座った跡部、忍足、向日、宍戸に、先程私達が交わした会話を再現していくジロー。
あ〜、散々コケにされそう・・・。 この話も断られるに違いない。 とほほ、と心の中で涙しながらだいぶ白くなっている私に、跡部はこう言った。
「ッマジですか!?よーっしゃジローも聞いたよね!?男に二言は通用しないぞやったー!!」 「お前な・・・」 「俺達の意見も聞けよな・・・」 跡部と宍戸が呆れたように呟いた。 「あ、ごめん。まさか跡部がオーケー出すとは思わなくてさ〜。やっぱし部外者とは食べたくない?」 私はさっきまでのハイテンションから、急にしょんぼりして言った。 「いや、俺は嫌だとは言ってない!」 宍戸が慌てて言った。 「ほんと?ならいいってことだよね!!忍足と向日は?」 ちょろいよ宍戸君。 忍足と向日は何がおかしいのか思いっきり笑っている。 「オレは構わへんよ、お前もえーやろ岳人?」 「おぅ!全然いーぜ!」 「マジで!みんなありがと〜!!特にジロー!」 私はほんとに嬉しくて、ちょっぴり涙ぐみながらみんなに笑いかけた。
私の隣に居た跡部は、食べかけていた物を思い切り咽に詰まらせたようだ。 「バカだとかアホだとか、エロエロ大魔王だとか榊太郎(43)とデキてるとか、もう言わないよ」 涙目で私を見つめる跡部に、にっこりと微笑みかけた。
「本当にありがとう」
「 !てめぇんなこと言ってたのか!?特に監督がどーのってなんのことだ!?」
なんて悠長に考えてる時でもないか。
「それはいいんだよ!変な噂流すんじゃねーよこのバカ!」 「バカだと!?この噂は私が流してるわけじゃないもん!ね!忍足?」 「ほんとなのか忍足!」 すでに二人とも膝立ち状態でガンを付け合っている。 その二人に睨まれた忍足は、おぉこわ、と呟いて肩をひょこっとすくめると、意地の悪い微笑を浮かべながら頷いた。
「ちょっと大丈夫跡部?しっかり!」 私はそっと背中を支えてあげた。 そんなにショックを受けるとは思わなかった。
「 」 跡部は意外そうに眉をよせて私を見た。 「それに人の噂も49日って言うじゃん。そしたらもう誰の目も気にすることなくいちゃつけるから、安心しなさい」
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